建設業を憂う

2021-1-20

 今日は大寒。一年で一番寒い季節と言われますが、我社の寒暖計はー8℃をさし、好天による放射冷却現象というものの凄さも感じるところです。
このー8℃からー10℃あたりが水道凍結の目安で、先々週末の水道凍結騒動の再来にならぬ事を願うものです。
 さて、今日はアメリカ新大統領の就任の日。バイデン新大統領がどんな政策を行うのか世界中が注目ですが、その話はまた後日。
 そんな中、今日は最近の我業界の残念な話をつぶやきます。
日本の誇る大手ゼネコンの凄さは、かつてプロジェクトXという番組で様々な技術や苦難を乗り越えて完成した施設などで誇りに感じてきたものです。
しかし、残念ながら最近、一部の工事で不正が発覚し、大きな社会問題になっている事があります。
先ずは、大手ではないけど、中央道の東京都内の現場で、橋脚の補強工事で鉄筋が入っていない「手抜き」工事が発覚した事。
受注業者が何故か九州の企業で、日本の建設業の「下請け制度」が問われる事にもなりました。
 そして最近、我長野県のあの千曲川の堤防が決壊したのは一昨年の台風の被害でしたが、その後の千曲川堤防工事において、大手ゼネコンが施工した護岸工事に不備が見つかり、建設業界にとっては大変な憂慮すべき出来事として話題になっています。
業界新聞の記事によれば、どうやら護岸ブロック積の土台が施工されていなかったり、ブロックの裏側に十分なコンクリートや埋戻しがなされていないために空洞が出来てしまっているもの。更には目地からブロック自体が離れてしまった箇所が見つかるなど多くの不良個所が見つかったとの事。
原因は、やはりブロック工が居なかった事と工期と予算という、我建設業にとって最も苦労している、苦難とも言うべき実態が原因とされています。
工期の問題は、最近は週休二日を義務付けられるなど、かつての建設業界では考えられなかった事が指示され、逆に「それで企業として(商売が)成り立つのか?」という経営者もいるほど働き方改革なる政策が始まっています。
しかし、実際にはそれも元請けさんのみだったりして、人手不足などから着工が遅れ、結局現場は遅れた工程を取り戻すために悲惨な状況になるてな事もあると思われます。
 今回の不正発覚は、地元建設業者にとっては大変残念な思いの一語です。皆懸命にまじめに取り組んでいるのに、こうした一部企業、特にゼネコンが起こした事象が誠に残念であり、地元建設業者の方からは「地元の為に真面目に復旧工事にあたっているのに、こうした話題のお陰で水の泡になってしまう」との声も上がっています。
 そして何よりも職人や技術者不足の深刻な現状です。
現代日本の若者に、重たいブロックを持ち上げて積んだり、3K5Kと言われる環境下での作業を求めるのはもはや無理だと思う今日この頃です。
しかし、ブロックや石積は今では重機を使って積む様な工夫もされてはいるけれど、今回のように明らかに現場の技術者と管理する者の技量や経験不足は否めない事象はあると思うものです。
更に、かつての我長野県をボロボロにしていった田中元知事や、民主党、今はその主な方々は立憲民主党というそうだけど、そんな政治家の皆さんが大声で叫んだ「脱ダム宣言」や「コンクリートから人へ」というカッコいい言葉による建設現場や業界を否定する政治家たちの政策により、益々建設現場で働く人たちが居なくなってしまった事実を是非知っておいて欲しいものです。
したがって、もちろん大手さんの請負実態や下請けへの受渡の問題、更には管理の問題は重大な不備だけど、そういう状況を招く原因に、ある時期の政権や首長の政策と、現場を知らない方々の「机上の論理」があったと私は思っています。
今や「職人」と言われる方々が様々な分野で少なくなって立ち行かない、あるいはやり手がない状況は様々な場面で見られます。
石工、大工、左官、そして現場で作業してくれる作業員からダンプの運転手まで不足です。
私がこの職業に就いた時代とはあまりにも違う今の日本ですが、そうはいっても誰かが、いや、多くの誰かたちがやってくれないと困る業種だと確信しています。
一方で、3K5Kや厳しい建設業への政治的施策、そして経営の厳しさなどを考えると、これからの若い人たちには難しいのかな?と思ってしまう今日この頃です。
日本の国土やライフラインを本当に守っているのは誰なのか?。理解して欲しいものです。政治家だけじゃないと思います。

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